1 はじめに
交通事故の被害に遭われた方が、加害者に損害賠償請求を行う場合に、一家の支柱であるかどうかによって金額が変わることがあります。
特に、交通事故の被害者の方が亡くなってしまった場合に問題となります。
死亡慰謝料は、裁判基準では以下の通りとされています。
・一家の支柱の場合 2800万円
・母親、配偶者の場合 2500万円
・その他 2000万円~2500万円
また、死亡逸失利益の算定においては、以下の算定方式が採用されています。
・基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
このうち、生活費控除率は以下の通りとされています。
・一家の支柱の場合
被扶養者一人の場合 40%
被扶養者二人の場合 30%
・女性の場合(主婦、独身、幼児等を含む) 30%
・男性の場合(独身、幼児等を含む) 50%
2 一家の支柱とは
では、この一家の支柱とは、どういう場合に該当するのでしょうか。
一般的には、一家の支柱とは、その者の収入を主として世帯の生計を維持している者のことをいいます。
典型的には、配偶者がいて、子供を扶養しているような家庭です。
では、子供が独立した家庭の場合にはどうでしょうか。
高齢の場合で、年金生活者であっても、その者の収入を主として生計を維持しているケースでは、一家の支柱と認定された裁判例があります。
その世帯での収入を検討して、被害に遭った方の収入がどのくらいの割合を占めているかが重要であろうと思われます。
3 まとめ
交通事故の被害に遭われ、特に、ご家族を亡くされてしまった場合、精神的なショックは大変大きいものと思います。
そのような中で、保険会社と示談交渉を行うことは、さらに負担が大きいと思います。
保険会社の提案が正しいのか、不安もあると思います。
お困りの際には、是非、上山法律事務所にご相談ください。