醜状痕について

交通事故の後遺障害には「外貌醜状」の後遺障害があります。これは顔や身体に「傷跡」が残った場合の後遺障害です。

外貌とは,頭部,顔面部,頸部など日常露出する部分のうち,上肢及び下肢以外の部分を指します。上肢及び下肢についてはその「露出面」に醜状障害を残す者について別途等級が認定されます。

外貌醜状で認定される後遺障害等級は3種類あり,いずれも,原則として人目につく程度以上の醜状が残った際に認定されます。

  • 7級12号   外貌に著しい醜状を残すもの   
  • 9級16号   外貌に相当程度の醜状を残すもの
  • 12級14号  外貌に醜状を残すもの

改正以前は,女性の方が男性より等級が高くなっていました。それは,女性の方が醜状によって受ける精神的苦痛が男性よりも大きいのだという社会通念に基づいていたと言われています。

しかし,2011年(平成23年)5月2日施行の改正自賠法施行令で外貌醜状について改正され男女差がなくなりました。

醜状障害について特有のものとして、労働能力喪失があるとして逸失利益が認められるかどうかという問題がります。

一般論としては、性別、年齢、職業等を考慮した上で判断されており、醜状痕の存在のために配置転換させられたり、職業選択の幅が狭められるなどの形で、労働能力に直接的な影響を及ぼすおそれがある場合には逸失利益は認められます。

労働能力への直接的な影響は認め難いが,対人関係や対外的な活動に消極的になるなどの形で,間接的な影響を及ぼすおそれが認められる場合には逸失利益は否定されるものの後遺障害慰謝料の加算事由とするとされています。

事案によって個別具体的な判断がなされておりますので、弁護士に依頼して進めることをお勧めします。

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