1 はじめに(未成年者と過失相殺)
交通事故の被害に遭われた方は、相手方の保険会社と示談交渉を行い、適切な賠償を受けることを目指すというのが一般的です。
交通事故の被害者がお子さん等の未成年者の場合、以下の投稿でも記載していますが、親権者が法定代理人として示談交渉を行うことになります。
2 未成年者の過失相殺能力
上記で引用した以前の投稿でも、責任能力は、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能と定義されており、これまでの判例や裁判例を見る限り、大体12歳程度で責任能力があると判断されていることが多いです。
ただ、これは、未成年者が加害者の場合に、責任を問えるかという観点から議論されているものです。
いわゆる被害者側の落ち度として評価される過失相殺においては、別の基準で考えられています。
最高裁は、まず、被害者に事理弁識能力があれば、過失相殺できると判断しています。事理弁識能力とは、道理をわきまえる能力という意味であり、具体的には、5歳ないし6歳で事理弁識能力が備わると判断している裁判例が多くあります。
したがって、未成年者であっても、5歳から6歳くらいですと、その子の行為が過失相殺の対象として問題になりうることになります。
3 まとめ
未成年者が被害者に遭う交通事故の場合にも、過失相殺は問題になりえます。
子どもたちが交通事故に遭わないように、日ごろからのしつけは大変重要ですし、運転する側の注意もとても大事です。
ただ、子供が事故遭われた事例も経験がありますので、お困りの際には、是非、上山法律事務所にご相談ください。