子どもが交通事故に遭ったら

1 はじめに

交通事故に遭ってしまうと、大人でも精神的な苦痛を受けるものです。小さなお子さんの苦痛はそれ以上と想像できます。

子どもの場合、若いがために無理が効いたり、症状の回復が早いという側面もありますが、事故にあったらすぐに医師の診察を受け、お子さんの症状を第一に考えましょう。

 

2 慰謝料について

子どもが事故に遭った場合の慰謝料の額については、基本的には大人の場合と変わりません(不幸にも、事故で亡くなってしまった場合の死亡慰謝料は大人より低くまる傾向があります)。


3 逸失利益について

子どもに後遺障害が残った場合、子どもの場合には、収入はなくても、将来働いて収入を得られる可能性が高いので、逸失利益が認められます。

子どもの場合には、実収入がないので、賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計・全年齢平均賃金を使います。産業計・企業規模計・学歴計というのは、産業・企業規模・学歴を問わない平均ということです。小さな子どもの場合は、将来どういった職業に就くのか未定のため、すべての平均値を使うことになります。

男児の場合は、男性のものを用いますが、女子の場合、男子に比べ逸失利益が低く算定されてしまう男女間格差の問題があります。そのため、女児については、男女計の平均賃金を使って基礎収入を算定する傾向にあります。

幼児、小学生、中学生くらいまでは、以上のお話を前提にすることが多いと思います。ただ、中学生を超えてくると、義務教育から外れるため、学歴別のものを使用することを検討する必要が出てきます。

大学進学を希望する高校生、大学生(アルバイトを含む)になってくると、大学卒を前提とする請求を検討することになります。平均賃金は大卒の方が高額になりますが、大卒の平均賃金を使用する場合は、就業開始年齢が18歳でなく大学卒業時の年齢となり、就労可能年数が若干短くなります。

幼児、小学生、中学生であっても、大学進学が確実視されるケースであれば、大学卒を前提にする請求が認められる可能性があります。ただし、事案によっては、大学卒を前提に請求した方が金額が低額になってしまう可能性がありますので、十分に比較検討する必要があります。

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