1 はじめに(主婦(主夫)の休業損害について)
交通事故の被害者の方が、有職者の場合には、事故によって仕事を休んだりした場合、休業損害の請求を検討することになります。
休業損害の計算は、「1日あたりの基礎収入×休業日数」で算出されます。
これまで、本サイトにおいても、休業損害の計算方法について、様々な投稿をしてきました。
会社員の場合、本サイトhttps://kagoshima-koutsujiko.com/kaisya_jiei_songai/においても、計算方法を紹介させていただきました。
主婦(主夫)の場合にも、https://kagoshima-koutsujiko.com/syufu_songai/にて紹介させていただきました。
主婦(主夫)の場合について、もう少し突っ込んで説明したいと思います。
2 基礎収入日額
上記サイトの通り、賃金センサスの女性・全年齢の平均賃金に基づいて主婦(主夫)の休業損害における基礎賃金が算定されます。
主婦(主夫)といっても専業主婦(主夫)の場合と、兼業主婦(主夫)の場合があります。
兼業主婦(主夫)の場合には、実収入と上記賃金センサスを比較して、いずれから高い方が基準になります。
3 休業日数・期間
入院期間はもちろんですが、それ以外の日数・期間については問題になりやすいです。
一つの考え方としては、実通院日数というものがあります。自賠責等もこの基準によっています。
ただ、兼業主婦(主夫)の場合に、実際に仕事を休んだ日が通院日数より少ない場合、どちらに拠って立つべきかは悩ましいところがあります。
パートタイマーとフルタイムの場合でも、考えは異なりえると思います。パートタイマ―の場合、そもそも、労働日がフルタイムに比べれば少ないからです。この場合には、実通院日数を基準にしてもいいと思います。
もう一つの考え方としては、段階的に休業割合を減らしていく方法(「逓減方式」)があります。
症状が徐々に改善していき、だんだんと家事ができるようになったものと考えて、段階的に休業(家事ができない)の割合を減らしていき、休業損害額を計算する方法です。
例えば、
最初の30日:100%
次の30日:50%
最後の30日:30%
という考え方です。
4 まとめ
以上、主婦(主夫)の休業損害について見てきましたが、賃金センサスを基準にして基礎収入を計算した方が金額が大きくなる事案で、実収入で計算してしまうというようなことのないようにしないといけません。
休業損害を含む示談交渉でお困りの場合、是非、上山法律事務所にご相談ください。