保険会社によって、示談交渉に違いはあるのか

1 はじめに

交通事故の被害に遭われた方は、お怪我や物損の修理はもちろんですが、相手方の保険会社から適切な示談金を支払ってもらうことが重要です。

これまで、特に、過失割合が問題となる事案の場合等は、人身傷害補償保険を利用すること、つまり、ご自身の加入する保険会社に請求することも重要であることをお伝えしましたが、基本は、相手方の保険会社から支払ってもらうことになると思います。

では、この相手方の保険会社の示談交渉における対応について、保険会社毎に違いはあるのでしょうか。

結論から言うと、違いはあると思います。

2 どんな違いがあるか

(1)一般に、どの保険会社も、整骨院の治療に非常にシビアなところがありますが、ある保険会社は事故から3か月が経過すると一切認めない等といった形で、傾向があると思います。

(2)また、保険会社は、示談の提案をする際に、自賠責の基準を下回った提案をしてはいけないことになっていますが、交通事故の被害者の方に弁護士が付いていないと、自賠責の基準とほとんど同じような提案をしてくることがあります。

その方は、弁護士特約に加入されていなかったのですが、実際に、当事務所が相談を受けて、裁判基準等をご説明し、できるところまで一人対応していただくようアドバイスをしたのですが、当該保険会社からは、「弁護士が付かないならこれ以上は示談金の額は上がらない」等という趣旨不明な理由で対応してきました。実際に私どもが依頼を受けたら、相当額の金額の上乗せがありました。

その方は大変お怒りでしたが、当然だと思われます。当該保険会社の提案内容や姿勢は、その件だけに限られないものでした。

(3)他にも、とある保険会社は、慰謝料や主婦の休業損害がかなり低く見積もられており、当事務所が相談を受けて対応したところ、すぐに倍以上の提示をしてきたということもありました。その保険会社もまた、そのような対応が複数回見られています。

(4)一方、弁護士が付いていても、訴訟外の示談交渉の場面では、どの保険会社も、裁判基準の満額の支払いはしてくれません。

特に慰謝料について、8割から9割くらいの間で話し合いを付けることが多い傾向にあります。

ここの支払いについても、保険会社によって、訴訟外で認める幅が広い会社と狭い会社の傾向があると思っています。

3 まとめ

以上のように、実名は出せませんが、私どもは、保険会社による傾向の違いは間違いなくあると思っています。

そのため、当事務所では、交通事故の被害者の方からご依頼を受ける際には、相手方の保険会社がどこの会社か、場合によっては、その担当者が誰かについても関心を持っています。担当者は、物損担当と人損担当で分かれていることが多く、過去にスムーズに行った担当者なのかどうかについては、結構、関心を持っています。

当事務所では、某保険会社が相手方になったときには、示談で満足の行く解決ができない可能性が高いことから、速やかに訴訟提起の方針をとり、現に訴訟率が高くなっているといったこともあります。

このように、保険会社毎の特色もある程度把握しておりますので、相談初期からそのことをお伝えできる範囲でお伝えし、その後の方針を決めることに活かしています。

少しでもお役に立ちたいと思いますので、交通事故の被害に遭われてお困りの方は、是非、上山法律事務所にご相談ください。

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